ガーデンサービス研究会、庭ポケット(植物検索サイト)制作チーム6名で高知へ行く。

お目当ては牧野植物園。1958年に開園したそうだ。

「日本の植物学の父」と呼ばれた、牧野富太郎さん。

恥ずかしながら今回、初めて名前を知る。

高知市内の山の上にあり、広さは約8ヘクタール。

かなり広い。地形を利用し、アップダウンが激しい。

半日かけて見学したが、それでも全部を見ることは出来なかった。

園内には3000種類以上の植物たち。

そのほとんどに名札がつけてある。

今まで見たことも、聞いたこともない植物との出会い。

全員が子供のように目を輝かせながら、園内を廻る。

皆、笑顔で嬉しそうだ。

会話も弾み、話す言葉も興奮気味。

が、庭木と自然植生の違いはあるにせよ、自分の知識の乏しさが情けなくなる。

植物には詳しいつもりでいたけれど、まだまだ知らないことの多さを自省する。

それでも新しい出会いは、もっともっと学びたいという思いをわき起こさせてくれた。

牧野さんは、94歳の生涯を閉じるまで植物分類学の研究を続けた。

来春放送予定のNHK朝の連続ドラマ小説「らんまん」

主人公のモデルは牧野さんだ。

なぜ今、牧野富太郎なのだろうか?

1500種類以上もの植物に命名した。

苦労させた妻の名前をとって「スエコザサ」と名付けた。など、

植物に命を与え、意味を持たせ、役割を与えた。

明治から昭和の激動の時代を生きた生涯。

裕福な家に生まれるが、多額の借金をして財産を全て亡くす。など、

波乱万丈の人生はドラマにもってこいだ。

でも、それだけでは普通のドラマと変わらない気がする。

業界内でよく使う言葉に「雑草という草は無い」がある。

草にもすべて名前があるということ。

この文章を書きながら、牧野さんの言葉だと初めて知った。

「多様性」

おそらく、この朝ドラのテーマだ。

今、ちまたでよく耳にする言葉。

自然植生の中にも、人間社会の中にも、異なる特徴や特性を持つものが共にいる。

人にもみんな名前があり、唯一無二の存在だ。

朝ドラ決定で、いろいろなものが動き出す。

観光客目当てだろう。牧野クッキー、牧野カクテル・・・

あたらしいハコモノ。あたらしい道路。ここに多様性はない。